たとえ世界は変わらなくても、今すぐ自分の世界はハッピーにできる!

あなたはどんな感情を期待している?

さて、この記事にたどり着いてくださったあなたに質問がある。この記事を読んだ後、あなたはどんな感情になっていたいだろう?立ち止まって少し考えていただきたい。

あなたにはこの記事を読む、なにがしかの動機、期待するものがあったはずだ。あなたを取り巻く状況に、なにか引き付けられるなにかがあったのかもしれない。

いずれにしても、読後にあなたがどんな感情を有するかは、私がこれからお伝えしようとしていることとは実はさほど関係がない。勿論私はあなたのなにがしかの期待には応えたい。しかし、読後に「良かった」と感じるのか「損した」と感じるのか、たとえそれがどんな感情であれ、実はあなたのその感情は、この記事次第ではなく、「あなた」次第なのである。

「おいおい、この筆者めちゃめちゃだろ」、ちょっとイラっとしているあなたにこそどうぞもう少しだけお付き合いいただきたいと私は思っている。

あなたを幸せにしてくれるひとは誰?

想像してみてほしい。あなたは47歳、独身女性で、高齢の親の面倒は自分が見ていて、自分で事業を営むキャリアウーマンだ。キャリアは一見順調に見えたし、健康には自信のあったあなたであるが、ある日突然、あなたは「乳がんステージ2」と診断された。先生からは当然、標準治療、つまり胸部全摘または部分切除、抗がん剤治療、放射線治療をすすめられた。・・・こんな状況下に置かれたらあなたは「どうする」だろう。これは私自身の体験である。

ガンはもはや珍しい病気ではない。頭でわかっていても、いざ自分や身内に突然それが降りかかると、平常心を失ってしまう人は多い。病気についても、それ以外の「不運」と呼ばれる出来事に対し、「なんで自分が?」と自分の不運を呪い、いとも簡単に不幸になってしまう人々を私は知っている。

おあいにくさま。私は不幸にはならなかった。私は標準治療ではなく、治療法を自分で選択した。ガンと診断されてから私は、ガンという病気について徹底的に勉強した。自分の置かれた状況の客観的事実を調べ、理解し、自分なりの知見を得たからこそできた判断であるが、その選択の結果には責任が生じる。私は医者の勧めに従わず、標準ではない治療を望んだ。その結果に対しては当然自己責任であるはずだ。

自己責任」・・・これは果たして自分の決断を押し通したことだけに生じることだろうか?そうではない。あなたが医者の勧めを受け容れて決断をすれば、それは医者に責任があるのではなく、それを選択したあなた自身の責任になるのだ。

自己責任」・・・あなたはいったい、自己の何に責任を負わされているのであろうか。

いったい自己責任とは何なのだろう?

これは、そもそも私たちはなぜ存在しているのか、生きる意味のような、難しい話に通じてくる話でもあるように思うのだが、自己責任とは、あなたがあなた自身の「幸せ」に対して責任を持つという事なのではないか、と私は思っている。生きている私たちは、例えばこの記事を読み、例えば仕事をし、例えば誰かと暮らす。それぞれの行いにはそれぞれの目的があるにせよ、最終的な私たちの得たいものは、今よりも「幸せ」な自身、つまり自己の人生なのではないか。私たちがなぜ生まれてきたのか、「使命」と言われるいのちの使い道がわからなくても、たった1つ言えることがある。  私たちの命のわかりやすい使い道は、まず私たちが自分自身のことを幸せにすることだ。逆に、だれもあなたを幸せになどしてくれないことを私たちはもっと早く悟るべきなのである。

幸せな人とそうでない人の違い

私たちは考えがちである。「誰かが幸せにしてくれる」、「~すれば幸せになれる」、または「~さえなかったら幸せなのに」と・・・。果たして一体そうなのだろうか。

実際には、「成功した人が幸せになる」わけでなく、「幸せな人が成功する」ことが、近年の科学的研究からわかっている。

さて、では、わたしたちの「幸せ」、つまり幸福とは一体なんだろう?幸せはきっと人それぞれ違う、に違いないし、その幸せをはかるということは出来るのだろうか?

近年、「幸福学」という分野の学問研究が進んでいる。我々の幸せの度合いがはかれるとして、以下、イリノイ大学のエドワード・ディーナーが開発した「人生満足度尺度」が有名だ。

以下の質問に対して、全く当てはまるー全く当てはまらない、までの1-7段階でそれぞれ点数を答えてみてほしい。

  1.       ほとんどの面で私の人生は理想に近い。 __
  2.       私の人生はとても素晴らしい状態だ。 __
  3.       自分の人生に満足している。 __
  4.       これまで自分の人生に求める大切なものを得てきた。 __
  5.       もう一度人生をやり直せるとしても、ほとんど何も変えないだろう。 __

合計: ___

あなたの合計点は何点だっただろうか。この満足度、結果は以下のとおりであるという。

クリック/タップで結果をチェック

既に成功している人の幸福度が高いわけではないことは先に述べた。

何を幸せと感じるのか、それはひとそれぞれだろう。しかし私たちの多くは、この「感じる」ということは、自然に起こることのように感じていて、それをコントロールできるとは思っていない。さぁ、ようやくセルフマネジメントの出番である。

セルフマネジメントと感情の関係

セルフマネジメント」とは、つまり、自分自身をマネジメントすることである。マネジメントとは何か、と言えば世の中には色々な定義があるけれど、例えば、「経営資源(リソース)を最大活用し、最大の成果を得ること」という経営的な視点の定義が1つある。「セルフマネジメント」に置き換えて言えば、基本的には、“自身の持つ、あらゆるリソースを使って、自分自身が最大の成果を得ること”と言えると思う。最大の効果、とはつまり、「もっとも幸せになる」ということだとは思うのだが、では何をもって最大の幸せ、というのかは難しい気がするとしても、とにもかくにもウェルビーイグ、ハッピーな感情や気分と幸福感のある人生を過ごすために欠かせないのが、セルフマネジメントであると私は声を大にして言いたい。自分を制すものは幸福を制す、である(笑)

セルフマネジメント」の最小単位は「瞬間」だと言われる。また、幸福学の中では、「嬉しい・楽しい、という感情」<「嬉しい・幸せな気分」<「幸福な人生」という具合に、嬉しい・楽しいという感情はよりタイムスパンが短い心の動きで、嬉しい・楽しい気分も、その感情よりは長いがそれでも短いタイムスパンによる心の状態であって、幸せな人生というのは、長期的な心の状態であるとしている。

さて、この一番短いスパンとされる「感情」、これはセルフマネジメントできるものなのだろうか?答えはYESである。私たちの感情は、いったい何に左右されているのか。外的に起こる不愉快な出来事によって私たちは「怒り」や「悲しみ」を引き起こされるが、実はその感情の引き金を引いているのは、外的要因ではなく、私たち自身(の内面的要因)なのだ。昨今はやりのアンガーマネジメントもしかり。古典的に言われてきたことなのである。「感情ってどうしようもないよね」「そうだよね」・・・これまでそんな会話を友と交わしてきた女子たちよ、「感情ってどうしようもないよね」、「いや、そうじゃないらしいよ」とこれからは言い放ってほしい。では、いったい「何」が「怒り」や「悲しみ」の感情を引き起こすような引き金をあなたに引かせているのか?というと、それは、あなた自身の「思考」と「行為」である、と選択理論心理学の創始者であるウィリアムグラッサー博士は説いている。

彼は、人間の脳の働きの一部を一台の車に見立て、前輪を「思考」と「行為」、後輪を「生理反応」と「感情」だとした。車を運転したことがある人ならだれでもわかるであろう。前輪と後輪では、どちらが扱いやすいか?といえば勿論前輪である。そして、前輪に、後輪がついてくるのである。この「思考」というのは、「解釈」であり、「捉え方」である。私たちは外界の刺激に対して、反応すべきでなく、「対応」すべきなのだ。私たちは1台の車である。実はこのモデルはもう少し複雑で、この1台の車も、自分の脳の中にあり、1台の車の前にちょっとした仕組みがある。それは追って説明する機会を持つとして、いずれにしても、私たちは、起こった出来事に対し、この1台の車の前輪を使うことになる。

私たちが物事をどう思考(解釈)し、どう行動するのかは、選べる、というのだ。

昨今はやりの「アンガーマネジメント」も、出来事が発生→意味づけ→怒りの発生、というのがメカニズムであって、「意味づけ」とはまさに「解釈」であり「捉え方」であるから、この解釈や捉え方を好ましいものに変えていこうという試みである。勿論もう少し奥は深くて、この、解釈や捉え方は、長年の成功・失敗(と本人が認識している)事からの学び(と本人が認識している)や、自身の「こうあるべき」という考えや価値観であったりもする。前文において、あえて私が、失敗「と認識している」とか、学び「と本人が認識している」と記載したが、この「認識」、つまり私たちが、「どう認識するか」こそが「解釈」であり「捉え方」である。

まとめ

べつにあなたが変わる必要はない。ただ、「捉え方」はその時々で変えられるようになってほしい。私たちがすべきことは、その「捉え方」のバリエーションを増やすことだ。私たちの心が行き場をなくし、ゆき詰まるとき、それは、多くの場合、たった1つの捉え方にとらわれてしまっている時だと私は思う。

この「捉え方」のバリエーションを増やすのは、まさにセルフマネジメントである。セルフマネジメントは、自分の中だけでできることであり、「マネジメントは自分のコントロールできるものに集中する」というのが鉄則だ。捉え方のバリエーションを増やすことは確実にあなたを幸せに導く。次回は具体的にやり方論の話もしてみたい。

あなたを取り巻く状況が何一つ変わらなくてもあなたは今すぐ幸せになれる。あなたを幸せにしてくれるのは、世界でたったひとり、あなたしかいないことを「認識する」こと、まずはその第一歩なのである。

出典:講談社現代新書「幸せのメカニズム 実践・幸福学入門」前野隆司

投稿者紹介

斎藤日登美
斎藤日登美 Hitomi Saito
職業エグゼクティブ・コーチ(バイリンガル)
経歴・2007年、エグゼクティブコーチとして独立後、口コミだけで現在まで1万人
以上の経営者・中間管理職者に対してコーチング、マネジメント研修を行う。
「また一緒に働きたい」と言ってもらえる組織におけるリーダーとしての
あり方やふるまいを具体的に伝えることで、他者と強固な信頼関係を結び、
人を動かすリーダーを育成。
クライアント企業が5年連続「働き甲斐のある会社」ベストカンパニー上位に
ランクインするなど、「人」の可能性を引き出し、企業と人の堅実で健やかな
成長を後押しする。
0店舗からスタートした企業が約20店舗へ成長、5億円企業が20億円突破などの
実績がある。
マネジメント層に対する1対多のマネジメント講座と合わせて個人コーチングを
行うことでリーダーのマネジメント能力を飛躍的にアップさせる。
また、軸足を自身の健やかさ(ウェルビーイング)と、そのためにいかに自身を
マネジメントしていくのか(セルフマネジメント)という点に置くことで、
強い自己基盤を築くことができるプログラムとなっていることに定評がある。
・前職では主に米国外資系IT企業にて10年以上にわたり、日本人のみならず
外国人社長らのもと、社長室長、経営管理部部長等、常に社長補佐としての
立場で組織変革および人材育成を行い、高い実績を残す。
エグゼクティブコーチングの最初の有料クライアントは、依頼により前職の社長。
・ コーチング黎明期である2000年よりコーチングを学び、産業カウンセラーを
はじめ、カウンセラー・セラピストとしての心理関連資格を複数有し、トラウマ
治療で有名な日本TFT協会の理事なども務める。
初期鬱への物理的対応や医療機関との連携、社員が「健やかさ」を自身で担保
できるメンタルタフネスのための捉え方や行動様式を伝授するカウンセリング・
コーチングで社長の懐刀としても機能するため、10年を超えるクライアント
企業も複数抱える。
・米国州立大学卒。アメリカでの大学生活や就労経験、フランスへの語学留学や
外資系IT企業就労時の外国人上司やビジネス経験を通して、グローバルな知見と
ダイバーシティへの高い理解と対応力を持つ。
お仕事で大切に
していること
健やかであること、誠実であること
趣味海外旅行(一人旅)、海外ドラマ(特に法廷物や犯罪心理学系の物が好き)
活動拠点関東(事務所は渋谷区と世田谷区)
好きな言葉逃げず弱らず戦わず
特技・強みバイリンガル(英語)、自由闊達な精神でしょうか
血液型O型
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繋がりたい
組織と個人を強くしたい中小企業経営者
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